〜人生の折り返し地点で見えてきた“ほんとうの豊かさ”〜
50歳。
この数字は、若い頃の自分にとってずいぶん遠い未来のように感じていました。しかし、いざ自分が50歳になってみると、「人生の半分」とも「折り返し地点」とも言えるこの節目には、本当に50年間生き的のか?という問いが頭の中に浮かびました。42歳で独立起業して約10年が経ち、ようやく会社員での物の見方から脱して、より色々なことに気がつき出したという感覚も立ち上がってきました。
20代、30代、40代と、がむしゃらに走り続けてきた日々。失敗も挫折も、嬉しかった瞬間も、気づかぬうちに心の中で熟成されて、ごちゃごちゃとはしているものの、新しい視点で見つめ直すことができるようになりました。
今回私が、57歳になった今、心から「これは本当に大切だ」と感じていることを10個、まとめてみました。
1. 人生は“予定通り”にいかないからこそ面白い
若い頃は、計画を立てて、その通りに生きるのが“良い人生”だと信じていました。目標を決め、努力して、達成していくことこそが成功だと思い込んでいました。でも、現実はそんなに単純じゃありません。むしろ、思いもよらない出来事や、うまくいかないことのほうが多いくらいです。
しかし、振り返ると、予定外の出来事やトラブル、思いがけない転機こそが、自分を大きく成長させてくれたように思います。人生が“思い通り”にならないからこそ、想像もしていなかった景色に出会える。そう思えるようになったのは、つい最近になってからかもしれません。
2. 「幸せ」は外にあるものではなく、自分の感じ方で決まる
かつては、より良い仕事、より良い地位、より良い生活を追い求めていました。でも、どれだけ手に入れても、「もっともっと」と焦る気持ちは消えませんでした。
最近になって、ふと家族と囲む食卓や、休日に一人で歩く近所の公園で、なんとも言えない安心感に包まれる瞬間がありました。「幸せって、こういうことかもしれない」という感想。他人や環境に左右されず、今あるものに感謝し、味わうことができたのです。
3. 家族との時間も大切である
仕事に夢中になっていた20代、30代。家族と過ごす時間を犠牲にしていたことも少なくありません。けれども、子どもたちが成長し、親が年老いていく姿を見て、「今」という時間の大切さを痛感するようになりました。
たとえ短い時間でも、心から家族と向き合い、何気ない会話や食事を大切にすること。歳を重ねるごとに、その積み重ねこそが人生の宝物だと感じます。
4. 健康は“当たり前”じゃない
若い頃は、多少の無理も「なんとかなる」と思っていました。けれども、年齢を重ねるにつれて、身体が思うように動かない日も増えます。朝、元気に目覚め、好きな場所へ出かけられる――それがどれほどありがたいことか。
大きな病気やケガをして初めて、健康のありがたみを実感する人も多いでしょう。健康は、失ってからその価値に気づくもの。でも、日々を丁寧に過ごし、自分の身体に感謝しながら暮らしたいと強く思うようになりました。
5. 「できない自分」も受け入れられるようになった
完璧を目指して、できない自分に腹を立てたり、自己嫌悪に陥ったりしたこともありました。でも、どんなに頑張っても、人には向き不向きがあり、できないことがあって当たり前。
今では、できない自分もひっくるめて「これが自分だ」と思えるようになりました。失敗や弱さも含めて、自分の人生の“味”だと思えるようになったのです。
6. “挑戦”は年齢に関係ない
「もう若くないから」と新しいことを諦めてしまいがちですが、50歳になってからも初めての体験がたくさんあります。新しい趣味を始めたり、知らなかった分野に挑戦してみたり。始めるのに遅すぎることなんて、本当にないんだなと実感します。
大人になればなるほど「失敗したくない」と思う気持ちが強くなりますが、失敗を恐れて何もしないより、まずはやってみることが大切です。
7. 人間関係は“量”より“質”が大事
若い頃は、たくさんの友人や知り合いがいることが自慢でした。でも、年齢を重ねるにつれて、「本当に信頼できる人」との関係を大切にしたいと思うようになりました。無理に付き合う人間関係を手放し、自分らしくいられる仲間と深くつながることで、心がぐっと楽になります。
8. お金の使い方が「モノ」から「経験」へシフトした
以前は、欲しい物があればすぐに買い、所有することに満足していました。しかし今は、旅行や学び、家族や友人との思い出作りといった「経験」にこそ価値を感じるようになりました。
形のあるモノはいつか失われますが、心に残る経験は、いつまでも自分の中で生き続けます。
9. 「今ここ」を生きる大切さ
過去の失敗を悔やんだり、未来のことを心配したりして、目の前の幸せを見落としていたことが何度もありました。でも、「今この瞬間」を大切にすることで、気持ちがずっと穏やかになります。
朝の静かな時間や、何気ない日常の一コマ――そんな小さな幸せを味わいながら生きることが、心の安定につながっています。
10. “自分の物語”を生きる勇気が持てた
他人の目や常識に縛られて、自分の本当の気持ちを後回しにしていた時期もありました。しかし、50歳を過ぎてから、「自分の人生は自分だけのもの」という思いが強くなりました。
人と比べず、自分らしい生き方を貫く――それが何よりの自由であり、幸福だと今は感じています。
さいごに
50年という年月は、短いようでいて、実にさまざまな経験を積み重ねてきました。若い頃の自分が思い描いていた“理想の大人”とはずいぶん違うかもしれません。でも、今の自分が一番「自分らしい」と思えます。
人生の後半戦も、まだまだ冒険は続きます。これからも、想定外を楽しみ、日々の幸せを味わいながら、自分だけの物語を歩んでいきたいと思います。
これから50歳を迎える方や、今まさに人生の節目を感じている方へ――「今ここ」を大切に、心から生きていく喜びを、ぜひ感じてほしいと思います。
コメント