「やること」より「なりたい自分」が先ではないか?
私たちは何かを成し遂げようとする時、すぐにTO DOリスト(やることリスト)を作る。
- プレゼン資料を作る
- 企画書を完成させる
- ジムに通う
- 本を読む
確かに、具体的な行動を並べることは大切だ。しかし、ふと立ち止まって考えてみる。これらの「やること」は、本当に自分が目指すべき方向なのだろうか?
TO DOリストの落とし穴
TO DOリストには、ある種の危うさが潜んでいる。
タスクをこなすことが目的化し、チェックマークを付けることに満足してしまう。気づけば、「何のためにやっているのか」が見えなくなっている。
例えば、「ジムに通う」というTO DOがあったとする。でも、本当に求めているのは何だろう?
- 健康的な体?
- 自信に満ちた自分?
- エネルギーに溢れる毎日?
- 鏡の前で微笑める自分?
同じ「ジムに通う」というタスクでも、目指す状態によって、その取り組み方はまるで変わってくる。
TO BEリスト:「どうありたいか」から始める
ここで提案したいのが、TO BEリストという考え方だ。
TO BEリストとは、「やること」ではなく「どんな状態になりたいか」「どんな自分でありたいか」を書き出すこと。
TO DOリスト:
- 毎日30分読書する
- 早起きを習慣化する
- 副業を始める
TO BEリスト:
- 知的好奇心に満ちた人でありたい
- 朝の静けさを味わえる余裕のある人でありたい
- 経済的な選択肢を持てる人でありたい
違いが見えるだろうか?
TO DOは「手段」であり、TO BEは「目的」なのだ。
なぜTO BEが先なのか?
TO BEを明確にすることで、次のような変化が起きる。
1. 本質的な行動が見える
「どうありたいか」が明確になれば、そのために必要な行動が自然と見えてくる。しかも、それは自分にとって本当に意味のある行動になる。
2. 迷いが減る
忙しい日々の中で、「これ、本当にやる必要ある?」と迷うことは多い。でも、TO BEが明確なら、その行動が自分の目指す状態につながるかどうかで判断できる。
3. モチベーションが続く
「やらなきゃ」で動くより、「こうなりたい」で動く方が、心は軽く、持続力も高い。
4. 柔軟性が生まれる
TO BEが明確なら、手段は一つではない。状況に応じて、別のアプローチを選ぶこともできる。
TO BEリストの作り方
では、どうやってTO BEリストを作ればいいのか?
ステップ1:自分に問いかける
- 1年後、どんな自分でありたい?
- どんな状態になっていたら、心から満足できる?
- 周りの人に、自分をどう見られたい?
ステップ2:感情ベースで考える
- どんな気持ちで毎日を過ごしたい?
- どんな瞬間に幸せを感じたい?
- 何を大切にして生きたい?
ステップ3:具体的な状態をイメージする
「幸せでありたい」だけでは漠然としている。
- 朝起きた時、どんな気分でいたい?
- 仕事をしている時、どんな自分でいたい?
- 人と接する時、どんな存在でありたい?
実践例:TO BEからTO DOへ
TO BE:「心に余白のある人でありたい」
↓ここから導かれるTO DO:
- 朝15分、何もしない時間を作る
- スマホの通知をオフにする時間を設ける
- 予定を詰め込みすぎない
- 「ノー」と言う練習をする
このように、TO BEが明確なら、TO DOは自然と具体化していく。しかも、それは自分の価値観に根ざした行動になる。
TO DOとTO BE、両方が必要
誤解してほしくないのは、TO DOリストが不要だということではない。
TO BEは「羅針盤」であり、TO DOは「地図」だ。
羅針盤なき地図は、どこに向かっているのか分からない。
地図なき羅針盤は、どう進めばいいのか分からない。
どちらも必要だが、順番が大切なのだ。
まず、自分に問いかけてみよう
次に何かを成し遂げようとする時、すぐにTO DOリストを作る前に、少しだけ立ち止まってみる。
「どんな状態になりたいのか?」
「どんな自分でありたいのか?」
その問いへの答えが、あなたのTO BEリストになる。
そして、そのTO BEこそが、本当に意味のある行動への第一歩なのだ。
あなたのTO BEは何ですか?
まずは1つ、書き出してみることから始めてみませんか?
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