日常を“実験室”としてとらえる
私たちは毎日を、決められたルーティンの積み重ねとして過ごしがちです。朝起きて、仕事や学校に向かい、食事をし、眠る。繰り返されるサイクルは安定をもたらしますが、ときに「ただ時間に流されている」という感覚にも陥ります。
ここで提案したいのが「生活ラボ」という考え方です。ラボはラボラトリー、すなわち実験室です。
日常を“完成品”ではなく、“実験の場”と見なし、そこに小さな工夫や発想を試していく。成功も失敗もすべてデータとして扱い、暮らしそのものを創造のプロセスにしていく姿勢です。
サムネイルの写真は、ジャガイモを小さなフライパンで揚げている写真です。まずは170度でフライして一旦取り出し、その後200度で2度揚げするだけで最高のフライドポテトが完成します。
小さいフライパンなので油も少なくて済みます。
なぜ「生活ラボ」なのか?
- 日常は最大のフィールド
特別な環境がなくても、私たちが毎日触れている生活こそ、無限の実験対象です。
同じことの繰り返しから、少し視点を変えてみてください。 - 小さな変化が大きな気づきに
「朝のコーヒーの淹れ方を変える」「机の配置を変える」など、ほんの小さな試みが新しい感覚や発想につながります。変える→どう変えるか?という視点が発生します。 - 創造性は繰り返しで育つ
大きなアイデアは、日常の小さな試行錯誤の積み重ねから生まれるのです。
ちょっとしたことも、別の何かと繋がって、点と点が線になったりもするのです。
生活ラボを始める3つのステップ1. Question(問い)
「今の暮らしの中で、不便だと感じていることは何か?」
「どうすればもっと心地よくなるか?」
問いを立てることから、ラボは動き始めます。もし優秀なハウスキーパーだったら?なんて問いから始めても面白いですよ。
2. Eye(観察・視点を広げる)
他の人の工夫や世界の事例を観察してみましょう。
SNSや本、ChatGPTに「朝の習慣でおすすめは?」と尋ねるのもよい方法です。
ちなみに世界のおすすめ習慣を聞いてみた結果です。
🌍 世界の朝の心地よい習慣 10選
- イタリア:バールでのエスプレッソ立ち飲み
朝は短時間で濃厚なエスプレッソをくいっと飲み、軽やかに出勤。 - フランス:バゲットとカフェオレ
シンプルに焼きたてパンと温かいカフェオレで始める、エレガントな朝。 - インド:マサラチャイを飲みながら日の出を眺める
スパイス香るチャイを片手に、家族や近所の人とおしゃべり。 - スウェーデン:朝の湖畔散歩(フリルフトスリフ)
自然と触れ合うことを大切にし、朝の散歩や軽い運動を日課に。 - 日本:朝のお味噌汁とごはん
発酵食品の味噌汁と炊きたてご飯で身体を温める、日本らしい朝習慣。 - トルコ:チャイとシミット(ゴマ付きパン)
濃いチャイを片手に、街角で焼きたてのシミットをかじる。 - ブラジル:カフェジーニョ(濃いコーヒー)と明るい音楽
甘い小さなコーヒーを飲みながら、サンバやボサノヴァのリズムで気分を上げる。 - モロッコ:ミントティーで目覚める
甘くて爽やかなミントティーが、気分をリフレッシュさせてくれる。 - アメリカ:モーニングランやヨガ
朝日を浴びながらジョギングやヨガをして、仕事前に心身を整える。 - フィンランド:サウナと冷水浴
休日の朝はサウナで汗を流し、湖や冷水シャワーでリフレッシュ。
- 飲み物(コーヒー・お茶・スープ)
- 自然(散歩・日の出・水)
- 人とのつながり(会話・家族時間)
が、世界共通の「朝の心地よさ」の源になっているみたいです。
3. Create(創造する)
新しいトライアルを自分の生活に取り入れてみる。その行動が新しい創造のスタートになります。
たとえば、
- 1日5分だけ手帳に「今日よかったこと」を書く
メモ書きを習慣化すると創造力が身につきます。 - 週に1回、使ったことのない食材で料理をしてみる。
作ってみたい料理をYoutubeで検索するといろんな作り方が学べます - 通勤ルートをあえて変えて、違う景色を体験する。
普段は降りない駅で降りてみるっていうのはよく聞きますね
このような“小さな実験”を重ねることで、生活ラボは動いていきます
実験から「変化」へ
ラボでの発見は、やがてChange(変化)へとつながります。
- 自分に合った朝の習慣が見つかり、一日の集中力が高まる
- 暮らしを少し整えるだけで、気分が前向きになる
- 新しい体験を重ねることで、自分の創造性に自信が持てる
「生活ラボ」を続けるほどに、日常はただの繰り返しではなく、“自分で創り上げる舞台”へと変わっていきます。
まとめ:あなたの生活は、最高の創造フィールド
芸術家や発明家だけが創造するのではありません。
私たち一人ひとりが、日常というフィールドの実験者であり、研究者です。
昨日とは違う何かをやってみるだけで良いのです。
小さな問いを立て、視点を広げ、試してみる。
そのサイクルを繰り返すことで、生活はもっと豊かに、もっとユニークに彩られていきます。
さあ、今日から「生活ラボ」を始めてみませんか?
生活ラボで試す10のアイデア集|QECC版
1. 朝のルーティンを1つ変える
- Question:「朝の過ごし方は、本当に自分に合っているのか?」
- Eye:世界の朝習慣を調べてみる(ヨガ、モーニングページ、瞑想など)。
- Create:深呼吸を3回してからスマホを見る。
- Change:1週間続けてみて、気分の変化を観察する。
最近私は散歩しながら思いついたことをスマートホンに音声入力してます
2. 五感を使った観察日記
- Question:「私は普段、どれだけ感覚を意識して生活しているのか?」
- Eye:アーティストや詩人の日記を参考にする。
- Create:散歩中に「匂い」「音」「色」を記録。
- Change:1か月後に読み返して、自分の感性の変化を確認。
週末にスマホで撮影した写真日記を見直すのもおすすめです
3. 未知の食材チャレンジ
- Question:「なぜ私はいつも同じ食材を選んでしまうのか?」
- Eye:海外の家庭料理やレシピを調べてみる。
- Create:スーパーで新しい食材を1つ購入。
- Change:自分の定番レシピに組み込み、新しい味覚を習慣化する。
韓国旅行から自宅でタッカンマリ鍋をするようになりました
4. 机の配置を変える
- Question:「私の作業環境は、思考や気分にどう影響しているのか?」
- Eye:風水やデザイン心理学の考え方を調べる。
- Create:椅子や机の向きを変えてみる。
- Change:集中力や作業効率の変化を1週間メモ。
リビングテーブルやカフェでの作業も環境を変えることになります
5. 1日1つ、写真を撮るテーマを決める
- Question:「私は日常の中で何を“美しい”と感じているのか?」
- Eye:写真家のテーマ設定の方法を調べる。
- Create:「赤いもの」「影」などテーマを決めて撮影。
- Change:7日間の写真を並べ、感覚の傾向を発見する。
できればスマホじゃないカメラでよし撮るぞって感じでトライしてみてください
6. 言葉を集める
- Question:「なぜこの言葉は私の心に響いたのか?」
- Eye:その言葉の語源や歴史を調べてみる。
- Create:1日1つメモに書き、短いコメントを添える。
- Change:1か月後、集めた言葉を眺めて“自分の価値観マップ”を作る。
やばいしか言えない大人にはなりたくないですよね
7. お金の使い方を“実験”する
- Question:「お金をどう使うと、心が一番満たされるのか?」
- Eye:寄付や“ギフト経済”の事例を調べる。
- Create:コーヒー代を自分以外の誰かに使ってみる。
- Change:人間関係や気分の変化を記録する。
自分にご褒美もいいですが、寄付やプレゼントはもっと深い喜びを感じることができます
8. 「やらないことリスト」を試す
- Question:「本当に必要のない習慣は何か?」
- Eye:ミニマリストや生産性の高い人の習慣を調べる。
- Create:夜21時以降はSNSを見ない。
- Change:空いた時間で何を得られたか振り返る。
やらないことリストを書くことをやらないで済ませないでね
9. 生活音をBGMに変える
- Question:「なぜ私は日常音を“雑音”だと感じるのか?」
- Eye:サウンドスケープや環境音楽の事例を調べる。
- Create:洗濯機や電車の音をリズムとして楽しむ。
- Change:音をポジティブに捉える習慣が身につくか検証。
新幹線のパソコンのカタカタだけは音のリズムとして楽しめませんでした。
10. 未来の自分に手紙を書く
- Question:「半年後の私は、今の実験をどう評価するだろう?」
- Eye:未来予想やライフデザインの事例を調べる。
- Create:半年後の自分に向けた手紙を書く。
- Change:半年後に読み返して、生活ラボの成果を確認する。
ブログを書くことが未来の自分が読み返す手紙にもなってます
まとめ
「生活ラボ」は、QECCメソッドの実践の場そのものです。
問いを立て、観察し、試し、変化を記録する。
そのプロセスを繰り返すことで、日常はただの消費ではなく、自分で創造する実験場へと変わっていきます。
昨日とは違う何かにトライする。毎日やってたことを一旦やめてみる。何かを書き記す。
まずはそこから始めてみてください。
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