序章 — 「答えの時代」から「問いの時代」へ
現代は、答えが簡単に手に入る時代です。
スマートフォンで検索すれば数秒で無数の情報が手に入り、AIを使えばさらに整理され、要点まで提示されます。
しかし、ここで大きな落とし穴があります。
「答えが手に入ること」と「人生が良くなること」は別物だということです。
人生を変えるきっかけは、正しい答えを知ることではなく、良い問いを持つことから生まれます。
「なぜ、私はこれをしているのか?」
「本当にこのやり方しかないのか?」
「別の角度から見たらどうなるのか?」
問いは、現実をただ受け入れるのではなく、現実を作り変えるための起点です。
この視点を私は「?EYE」と呼び、人生やビジネスの軸に据えてきました。
第一章 — 私の原点と問いの力
18歳のとき、私は親の離婚と家業(紳士服店)の倒産という、人生の大きな転換点に直面しました。
これまで当たり前だと思っていた日常が一瞬で崩れ去り、頭の中が真っ白になったのを覚えています。
「大学にはなんとかして行きたい」剣道部の顧問の先生にと相談した結果、浪人生活を送りながら家庭教師で収入を得て、そのお金を貯めて夜間大学へ進学することができました。
昼は働き、夜は学ぶ生活を続けました。
そのとき私を動かしたのは希望でも夢でもなく、たった一つの問いでした。
「自らの人生を切り開くにはどうしたら良いか?」
バブルは弾け、厳しい就職活動でした。夜間大学卒では試験資格がないという会社がほとんどでした。
服屋の息子として育ったので服は好きでした。
最後は倒産しましたが親の後ろ姿を見て格好良いなとも思っていました。
自分で商売するには中々難しい。それなら商売が学べる会社は?
この問いから百貨店業界での就職をこころみましたが、夜間大学が受験できる大手は1社でした。
7次試験まで受け採用が決まり、しかも希望の婦人服部での社会人生活をスタートすることができました。
それからは
「どうしたら接客力が身につくか?」
「男が女性に接客するにはどうしたら良いか?」
「どうしたら先輩社員のように売上が取れる催事企画ができるか?」
「どうしたらバイヤーになれるのか?」
「自分の担当プライベートブランドの黒字化を達成するにはどうしたら良いか?」
振り返れば、私の人生の節目には必ず「問い」がありました。
自ら立てた問いに対して、観察して、仮説を立てて、やってみる。
この仕事のやり方は18年間の百貨店生活で身につけた財産となりました。
第二章 — 株式会社ハッピーアイと「幸せの視点」
独立して起業したとき、私は会社に株式会社ハッピーアイ(HAPPY EYE)「幸せの視点」と名付けました。
お客様に提供する物やサービスで笑顔になってもらいたいという想いです。
この「HAPPY」は単なる「幸福」という意味だけではありません。
語源はHAPPEN(起こる)。
つまり、目の前で起こる全ての出来事は、見方によって幸せに変わるという考え方も含んでいます。
起業から10年ほど経った頃、私は気づきました。
「幸せの視点」とは、単にポジティブに解釈することではなく、出来事の前に立てる“問い”の質にこそ宿るのではないかと。
同じ出来事でも、「なぜこんなことが起きたのか?」と嘆くか、「この出来事から何を学べるか?」と問うかで、未来の姿はまるで違います。
問いの立て方次第で、感情も結果も異なるのでは?という気づきです。
この気づきから、社名の本質を具現化するために生まれたのが「?EYE」というコンセプトでした。
HAPPY EYEが示してきた「幸せの視点」を、具体的な思考法として発信する場──それが「?EYE」サイトです。
第三章 — 「?EYE」という視点
「?EYE」は、私がビジネスや教育の現場で長年磨いてきた思考法を一言で表したものです。
- ?(Question) … 本質的な問いを立てる力
- EYE(Eye) … 観察し、洞察する目
この二つを組み合わせることで、答えを急がず、世界を新しい角度から見るためのレンズが手に入ります。
例えば、ファッションブランドの企画では「この服は誰のどんな未来を変えるのか?」と問います。
投資判断では「この数字の裏にどんな物語があるのか?」と問います。
人間関係では「この人は何を本当に求めているのか?」と問います。
問いは、現実を受け入れるだけでなく、現実をデザインするための起点なのです。
第四章 — なぜ多くの人は「問い」を持たないのか
私は講義やセミナーで必ずこう尋ねます。
「最近、自分にどんな問いを投げかけましたか?」
ほとんどの人が答えに詰まります。
この結果に私の仮説があります。
私たちは学校でも会社でも「正しい答え」を求められ続け、「良い問い」を立てる訓練を受けてこなかったからでは?
という「問い」です。
多くの人は「答えを探し、その答えを疑わず受け入れている」になってしまいます。
いわゆる「答えの消費者」になっているのでは?と思います。
今、多くの著者も本に書いているように、AI時代において価値を持つのは答えを知っている人ではなく、問いを作れる人です。
第五章 — ?EYEの4ステップ
私が提唱する?EYEメソッドは、次の4つのステップで構成されています。
- Question(問い)
- 現状や前提を揺さぶる質問を立てる
- 例:「自分の意見と言う、自分で考える、自分の言葉で表現する。っ
て学校で具体的に習ったことがないのでは?
だから、日本の若者の自己肯定感が低いのでは?」
- Eye(観察)
- 事実や背景、パターンを観察する
- 例:「日本の戦後教育において
自分の意見を言う機会は少ない。発言は正解かどうかの確認が中心
考える=暗記した知識を使って正解を出すこと
自分の言葉というより、教科書や先生の言葉をそのまま答えるのが安全」
- Create(創造)
- 妄想レベルで新しい可能性を描く
- 例:「知識よりも考える力を身につけ、自から問いを立てて、
自らの言葉で表現する力を養うサイト(?EYE)があれば、
誰しもが自分の受けた教育の偏りに気づき、もっと自己肯定感が育つのでは?」
- Change(変化)
- 小さな一歩を実行して現実を動かす
- 例:「まずは?EYEというサイトを立ち上げてnoteで発信していこう」
第六章 — 実践事例
1. 百貨店バイヤー時代
「なぜお客様はわざわざ百貨店に来るのか?」と問い、答えは価格ではなく物語と体験にあると発見。
結果、イベント企画や限定商品で売上を大幅に伸ばしました。
2. 50歳からの投資
「なぜ私は労働収入に依存しているのか?」と問い、不動産・株式投資を開始。
お金にも働いてもらう仕組みを作り、時間の自由を得ました。
3. 専門学校での授業改革
「なぜ学生は自信を持てないのか?」と問い、授業に?EYEメソッドを導入。
学生が自ら問いを立てることの重要性に気がついたレベルまでは進んでいます。
言葉にできないことは、どのようにして言葉にしたら良いかなどを生成AIを使うことで学びにつなげています。
第七章 — ?EYEで描く未来
「?EYE」サイトは、読者が自分の人生に問いを持ち、観察し、創造し、変化を起こすための実験室です。
- 日々の小さな問いをシェアする「問いのメモ帳」
- ビジネスや教育での実践事例
- 生成AIを活用した30日ドリル
- QECCメソッドを使った活用方法
生成AI × QECCメソッド 30日ドリル(サンプル)
目的:生成AI(ChatGPTなど)とQECCメソッドを組み合わせ、「問いを立てる→視点を広げる→新しい発想→行動」という習慣を30日間で定着させる。
Day 1|日常の“当たり前”を疑う
- Question:「今、当たり前だと思っている習慣の中で、本当に必要なものは何か?」
- Eye:AIに「生活習慣を手放した人の成功事例」を10個尋ねる
- Create:自分の場合に置き換えた「やめてみると得られる可能性リスト」を作る
- Change:今日から1つ、試しにやめてみる
Day 2|数字の裏にある物語を探る
- Question:「この数字(売上・体重・時間)の背景には、どんなストーリーがあるのか?」
- Eye:AIに「同じ数字でも意味が異なる事例」を10パターン尋ねる
- Create:自分の数字をポジティブに変える“物語”をAIと共同で作る
- Change:その物語に沿った行動を今日1つ実行する
Day 3|未来から逆算して今を変える
- Question:「3年後の理想の自分は、どんな1日を送っているか?」
- Eye:AIに「理想の生活を送る人の朝〜夜までのルーティン例」を尋ねる
- Create:そのルーティンを自分仕様にカスタマイズ
- Change:今日から朝の30分だけ理想ルーティンを取り入れる
最終章 — あなたへの問い
あなたは今、どんな問いを持っていますか?
そして、その問いはどんな未来を創ろうとしていますか?
答えを急ぐ必要はありません。
しかし、問いを立てる力があれは、何度でも問い続けることで、自らの想い描く姿が明確になってくると思います。
?EYE — 問いの視点で、あなたの人生を創造しましょう。
まとめ:小さな問いが大きな未来をつくる
問いは日々の小さな選択を変え、やがて人生全体の方向を変えていきます。
問いに対して、すぐに答えを出さなくても良いのです。
問いを忘れた頃に「これって、もしかして」というひらめきが降りてくることもあリます。
問いという種をたくさん抱えると、それだけたくさんの花が開くようにも思います。
さあ、問いを始めましょう。
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